最初の引っ越し
これまでたくさん引っ越しましたが印象に残っているのが、最初の引っ越しでした。
高校を卒業し、地元の友人と二人暮らしを始めました。
僕たちはまず情報集めに現地へ行きました。
まだ世の中の事もあまり知らない僕たちにとってすべてが新鮮でした。
初めて行く不動産屋では僕らは騙されない様に気をつけようと、
たくさんの不動産をハシゴしました。
知らない土地を見に行くのはとても楽しかったのですが、
精神的にも疲れました。
結局、値段と場所で気に入った物件が見つかったので、そこに決めました。
当日は父親のトラックで運転してもらい引っ越しを三人で行いました。
今思うと父親には本当に感謝しています。
部屋にはいると二人でお互いが持って来た食器類など、見せ合いながら
台所ではしゃいでいました。
だけどここで大きなミスがありました。
僕たちは電気、ガス、水道会社には前もって連絡していなかったので
何も部屋には通っていなかったのでした。
床を拭きたくても水が出ない、じゃあどうしよう?と二人で相談したあげく公園に行きました。
当時は真冬でとても寒かったのですが、拾ったバケツに公園の水をくんで部屋まで持って帰ったのでした。
その時、ボクは初めて自分たちで生きていくという事の面倒くささが身に染み始めていました。
そして二人で部屋にもって帰った水を使い、床を拭きました。
家具も何もない部屋というのは部屋という感じがしなくて、ずっと落ち着く事も出来ないでいました。
母親が買ってくれたストーブがやけに暖かく感じました。
友人と二人で来たので不安も寂しさもないだろうと思っていましたが、ボクはその夜人生で初めてのホームシックになったのでした。
熱が出て、寝込んでしまったのです。
貯金が尽きる前に仕事を探さなくてはいけない、
この知らない街でうまくやっていけるのだろうか?
自分でご飯が作れるのだろうか?
今思うと可愛いのですが、当時はそんな不安に押しつぶされそうになっていました。
ですが、これまで色んな街に住んできて、たくさんの引っ越しを経験してきましたが、最初の引っ越しが一番思い出に残っています。